AIが動画を切り出し、
AI自身が出来を採点して作り直す。
それを、4日目には動かしていました。
YouTubeに250本以上の動画が溜まっていました。この中には、切り出せば単体で成立する「おいしい30秒」が確実に埋まっている。でも人間が全部見返して探すのは、現実的ではありません。ならば、AIに探させればいい。思いついたので、作りました。趣味です。
まず動かす。
品質は、動かしながら上げる。
始めた日に最初に書いたのは、たった3つの部品でした。「動画を切る」「縦型にする」「YouTubeに上げる」。それだけです。品質チェックも、映像解析も、学習機能もありません。
そして4日目には、最初のショート動画が公開されていました。
出来は、正直よくありませんでした。話の途中でぶつ切りになる。オチのない30秒が世に出る。——それでいい、と考えました。動いているものを見ないと、何が足りないか分からないからです。
そこから、AIが吐き出すものを眺めながら、足りない部品を継ぎ足していきました。
- 1日目着手。「切る・縦にする・上げる」の3部品だけ
- 4日目最初のショートが自動公開される
- 6日目「盛り上がっている箇所」を音と映像から探す部品を追加
- — しばらく、放っておく —
- 51日目AIに出来を採点させる品質ゲートを追加
- 52日目落ちたクリップをAIが作り直すループを追加
- 58日目切れ目が文の途中にならないよう調整する部品を追加
- — また、放っておく —
- 80日目公開後の実績を回収し、次の選定に学習させる部品を追加
間が空いているのは、そういう進め方だからです
日付が飛んでいることに気づかれたと思います。毎日作業していたわけではありません。実際に手を動かした日は、全体で のべ27日 です。
やっていたのは、こういうサイクルです。
そして、1の「AIに作らせる」も、腰を据えてじっくり取り組んでいるわけではありません。「こういう部品が要るな」と思ったら、言葉でパパッと指示を出して作ってもらう——その程度の軽さです。仕様書を書き、設計を固め、それから実装する、という進め方はしていません。
先に完璧な設計図を描いていたら、たぶんまだ公開できていません。作らせる → 放っておく → 見る → 次を考える。この回し方だから、片手間の のべ27日 で形になりました。重い工程がどこにも無いのが、この進め方の要点です。
実際の成果物を、見てください。
以下はすべて、私が一切手を触れていない、AIが自動で作って自動で投稿したものです。
9分37秒の動画から、AIが「この31秒」を抜き出しました
Claude Codeを5時間放置|AIに自律でインフラを作らせる時代
動画全体の 5.5%。残り94.5%は「使わない」とAIが判断しました。人間がこれを毎回探すのは、現実的ではありません。
Claude Codeが4時間55分動きっぱなし
AIがこの区間を選んだ理由は、「ここ、4時間55分動きっぱなしです」 という一言を、動画全体で最もインパクトのある発言(100点満点で98点)と判定したからです。
タイトルもAIが付けています。「Claude Codeが4時間55分動きっぱなし」——数字を残し、状況の異常さだけを切り取ったタイトルです。私は何も指示していません。
31秒の動画が、平均30.0秒見られています。見た人のほぼ全員が、最後まで見たということです。
他の自動生成例
| AIが付けたタイトル | AIが抜き出した一言 | 再生 |
|---|---|---|
| AIが“バカになる”原因はこれだった! | 「急にバカになった?それ、コンテキストが腐敗してます」 | 1,825 |
| 必要な時だけ自動で読み込ませる裏ワザ | 「全部書くんじゃなくて、必要な時だけ自動で読み込ませる仕組みがあるんですよ」 | 1,828 |
| AIはLinuxのほうが得意だった | 「Linuxの道具の方が、よくAIが知ってるんですよ」 | 1,947 |
どれも、元は数十分の解説動画です。その中から「単体で成立する一言」を探し当てて切り出す作業を、AIが全部やっています。
AIが選んだ切り出しは、実際に「見られて」いました
70本の実測値です。
| 自動生成ショート 70本 | 私が作った通常動画 256本 | |
|---|---|---|
| 視聴維持率(再生数で加重) | 62.4% | 30.5% |
| 視聴維持率(中央値) | 52.7% | — |
| 平均視聴時間 | 32.5秒 | — |
AIが切り出したショートの方が、私が時間をかけて作った本編より、最後まで見られていました。「AIが適当に切っただけでしょ」ではありません。動画作品としては、明確に成功していたというのが、数字が示していることです。
中で、何をしているのか。
難しい話は省いて、流れだけ説明します。
どこを切るか探す
音声を文字に起こし、AIに「単体で聞いても意味が通り、人を惹きつける発言」を候補として挙げさせ、点数を付けさせます。同時に音(音量の起伏=盛り上がり)と映像(コマを抜き出して「見て面白い画か」をAIが採点)からも別々に採点。文字・音・映像の3方向すべての評価が高い区間だけを選びます。
切って、整える
選んだ区間を切り出します。このとき切れ目が文の途中に来ないよう、文の切れ目に吸着させます。「〜なんですけ」で終わる動画にならないための処理です。さらに横長の画面を縦型に変換。単純に中央を切ると話者が画面外に出るので、話者の位置を追いかけながら切り取ります。
AIが自分の作品を採点する
できあがったクリップを別のAIに見せて採点させます。「前後の文脈を知らない人が見て意味が通るか」「オチはあるか」を評価し、基準に満たないものは不合格に。そして不合格になったものは捨てません。AIがもう一度、切る位置を変えて作り直します。そしてまた採点にかける。
投稿して、結果から学ぶ
合格したものだけを自動でYouTubeへ投稿。公開後は再生数などの実績を自動で回収し、「どういう切り出し方が伸びたか」を次回の選定基準に反映させます。回せば回すほど選定が賢くなる設計です。
| 素材にした過去動画 | 196本 |
| システムが生成した候補 | 978本 |
| そのうち実際に公開されたもの | 73本 |
978本作って、公開したのは73本。システムは自分の作品の92.5%を、自分で没にしました。これは不具合ではなく、設計通りです。AIに何かを作らせるとき、本当に難しいのは「作らせること」ではありません。作ったものの出来を判定して、ダメなものを世に出さないことです。ここに一番時間をかけました。
そして、数字を見て撤退しました。
3ヶ月間、私はほぼ何もしていません。朝起きるとショートが公開されている。累計 69,906回 再生され、視聴維持率は本編を上回りました。技術的には、狙い通りに動きました。
だからこそ、次の数字が効きます。
私のYouTubeチャンネルの目的は、再生数を稼ぐことではありません。「この人に相談したい」と思ってくれる人と出会うことです。だから、そこを測りました。
| 累計再生 | 増えた登録者 | 1,000再生あたり | |
|---|---|---|---|
| 通常動画 256本 | 約127万回 | 9,573人 | 7.51人 |
| ショート 70本 | 約7.0万回 | 15人 | 0.21人 |
約35倍の差でした。
70,000回再生され、最後まで見てもらえて、それでも増えた登録者は15人。その再生のほとんどは、誰も登録せず、誰も本編を見に来ず、気持ちよく見て通り過ぎていくものでした。
「よくできている」ことと「意味がある」ことは、まったく別でした。止めた後、チャンネル全体の1日あたり再生数は約2,400回から約1,200回へ、半分に落ちています。見た目の数字は確実に悪化しました。それでも止めました。続ける理由が、データの中に見つからなかったからです。
止めない理由なら作れました。「もう少し続ければ伸びるかも」「せっかく作ったのだから」——たいていのプロジェクトは、この2つで死なずに生き延びます。しかし効果が35分の1なら、同じ手間は本編に使うべきです。
作れることと、やる価値があることは、別の話です。
なぜ、この失敗を載せているのか。
当たるかどうかは、やってみないと分かりません。どんなに賢い人が会議室で議論しても、市場が反応するかは出してみるまで分からない。これは、経験を積むほど確信が強くなります。
極限まで速く作って、出して、反応を見る。ダメなら素早く畳む。それを何十回も繰り返す。打席に立たなければ、ヒットは絶対に出ません。逆に、1回あたりのコストを十分に小さくできるなら、打席数を増やすほど当たる確率は上がります。
これまで、この戦略が取れなかったのは、1回の打席が高すぎたからです。企画して、見積もって、開発して、テストして——半年と数百万円。それだけ賭けたら、外れても引き返せません。「せっかく作ったのだから」と、死んだ企画を延命させることになります。
AIが、この前提を壊しました。
今回、私はのべ27日で仕組みを組み上げ、4日目には市場に出し、3ヶ月で「これは違う」という答えを得ました。これが1打席のコストです。この価格なら、何度でも振れます。
私がお売りしているのは、この打席を、あなたの会社で回す能力です。
あなたの会社で、これをやります。
「うちのあれ、こういう風にできないかな」
そう思いついたまま、何年も経っているアイデアはありませんか。発想は浮かぶ。でもそれをAIに作らせる部分ができない。だから止まっている。そこを、私にお任せください。
いまはAIの時代です。かつて数人のチームで数ヶ月かかった仕組みが、AIに何をどう作らせるかを設計できる人間が一人いれば、はるかに短い時間で形になります。
形にすると、3つのうちどれかが起きます
成果が出る
狙い通りに効果が出れば、それが一番です。
成果が出ないと、早く分かる
今回の私のように。これは損失ではなく回収です。頭の中で3年間「やってみたいな」と思い続けるより、3ヶ月で答えが出る方がはるかに価値がある。そして次の打席に立てます。
成果に関わらず、手間が減る
仕組み化そのものが作業時間を削ります。効果測定の結果がどうであれ、自動化された分の労力は戻ってきません。
作って納めて終わりにはしません。
今回私が自分に対してやったことを、あなたの案件でもやります。動かして、数字を測って、続けるか止めるかを一緒に判断する。止めるべきものを止められない業者に、私はなりません。自分が作ったものを、自分で止められる人間だからです。
Microsoftプラットフォーム。
最も力を発揮できるのは Microsoft 365 と Azure を基盤にした構築です。Microsoft MVPを14年連続で受賞し、20年以上この領域を専門にしてきました。すでにお使いの環境に、追加投資を最小限にして仕組みを載せられます。もちろん今回のシステムのように、Microsoft以外の技術が適している場面ならそちらで作ります。道具は目的に合わせて選ぶものです。