えびすだ事例集レポート生成の自動化
CASE 05 / 業務自動化・レポート生成

分析は終わっていた。
詰まっていたのは、その先だった。

分析するプログラムはすでに動いていました。それでも、結果をグラフにして資料へ貼る工程だけが手作業で残り、対象者が増えるほど時間が延びていく。その最後の工程を、1つのコマンドで終わる仕組みにしました。

3か月当初見積もっていた期間
半日実際にかかった時間
7枚毎回手で貼っていたグラフ
5つ成否を決めた判断
01 / 課題

「あと少し」が、いちばん長く残る。

データを集める仕組みはありました。分析するプログラムも動いていました。残っていたのは、出てきたグラフを1枚ずつ画面から取り込み、決まった資料の決まった位置へ貼り、氏名を書き換える工程です。

この工程は、担当者にとって難しい作業ではありません。だから後回しになります。そして対象者が数十人に増えた瞬間、いちばん重い工程になります。

止まっていた理由は、技術ではありませんでした。

「どこから手をつければいいか」「どう組み立てれば運用が続くか」が決まらないままだった、というのが実際のところです。

02 / 決めたこと

価値を決めたのは、書いたコードではありません。

作業を始める前と最中に決めた、5つのことです。いずれも一言で終わりますが、これが違っていれば作り直しになっていました。

01

調整する場所を、人の側に置く

貼り付け位置をプログラムにも設定ファイルにも持たせず、資料のテンプレート自体から読む形にしました。担当者がテンプレートで枠を動かせば、そのまま次回の出力に反映されます。こちらへの依頼は要りません。

02

仕様とデータを、混ぜない

設定がそこにしか存在しないものは、資料ではなく仕様です。テンプレートを履歴の残る場所へ置き、個人のデータは置かない。この線引きを最初に決めました。

03

既存の資産に、手を入れない

すでに動いている分析プログラムは触らず、その出力から先だけを引き受ける範囲に切りました。動いているものを壊さないことが、最短の道でした。

04

「本番で動いた」以外を完了と呼ばない

手元で動いた時点では終わりにしません。実際の実行環境で、実際の権限で、成果物が出るところまでを完了としました。手元とお客様の環境は、たいてい同じではありません。

05

制約でないものを、制約にしない

「権限がないからできない」の多くは、切り分けると別の話です。今回も、必要なファイルを自分たちで持ち込む形に変えるだけで、権限の追加は不要になりました。

03 / 結果

手順書がいらない状態まで持っていく。

実行環境で上から順に実行するだけで、グラフ7枚が生成され、テンプレートの所定の位置へ差し込まれ、16ページの資料ができあがります。担当者が毎回していた貼り付けとサイズ調整は、なくなりました。

  • 画像は縦横比を保ったまま枠に収め、はみ出さない
  • 枠と画像の対応が合わなければ、差し込む前に止まって知らせる
  • 前回の実行結果が混ざらないよう、毎回きれいな状態から作る

3つ目は、実際に一度踏んだ問題です。前の対象者のグラフが残ったまま差し込まれ、しかも成功したように見えました。人数分を繰り返す運用では、これがいちばん怖い事故になります。

数値は、元の分析結果と一致することを確認しています。

移植前に作られていた資料からグラフの値を読み取り、突き合わせて一致を確認したうえで、その値をテストとして固定しました。今後の修正で数値が変われば、テストが落ちて気づけます。

04 / 料金の考え方

だから、時間では請求しません。

3か月で見積もっていた作業が、半日で完成しました。ここを隠すこともできますが、隠すと「かかった時間で払う」という考え方が残ります。

今回、結果を決めたのは作業時間ではなく、上に挙げた5つの判断です。判断は数分で終わります。数分の判断が、3か月分の作業を決めていました。

当社は、月額の席としてお持ちいただく形にしています。

必要なときに判断を取りに来ていただき、必要なら実行まで引き受ける。連絡がない月がいちばん良い月です、という考え方で設計しています。

お客様のご依頼による案件のため、業種、サービス名、扱っているデータの内容は記載していません。記載しているのは、進め方と判断の中身です。数値は2026年9月時点の実測です。

「あと少し」で止まっている工程はありませんか。

分析やデータはできているのに、資料にするところだけが手作業で残っている。よくある形です。状況を伺えば、仕組みにできるかどうかはその場で判断できます。